江ノ島でマリンランドが開業した1957年(昭和32年)、クジラ博士:中島將行先生のもとに「南伊豆の安養里(あらり)でハナゴンドウが捕獲された」という知らせが入ります。
ハナゴンドウは、それまではマツバイルカと呼ばれていたクジラ。
このクジラを江ノ島マリンランドまで運ぶこととなるのですが、中島先生はトラックでの輸送を提案します。
そして、クジラを乗せたトラックが、まだ舗装も整っていない箱根を越えたのだそうです。
クジラは、体長は3m、重さ250㎏。
7~8時間かけて江ノ島マリンランドに到着。
中島先生をはじめとするスタッフは足がしびれてまとも歩けなかったそうですが・・・
クジラの方もトラックの荷台に寝かされっぱなしだったので、胸ビレがしびれ、そのままプールに入れてもうまく泳げない状態でした。
泳げなければ溺れて死んでしまいます。
担架に乗せてすこしずつ慣らしていき、スタッフもプールの中に入ってクジラと一緒に泳いだそうです。
こうしてクジラは自力で泳げるようになりました。
この輸送の模様は、「鯨・箱根を越ゆ」(クライング・ホエール)という映画になったそうです。
(中島將行先生のお話より)
中島先生の著作
(1994年)
★クジラ博士:中島將行先生逝く2016/01/27
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