新江ノ島水族館は、1957年(昭和32年)に日本の映画界の基礎をつくった日活の堀久作社長が建てた「江ノ島マリンランド」を前身としています。
「江ノ島マリンランド」の開業に関わった一人にクジラ博士と呼ばれる中島將行先生がいらっしゃいます。
中島先生は、1948年(昭和23年)、農林省水産講習所(現在の東京海洋大学)在籍中に捕鯨船に乗り込み、南氷洋上で初めてクジラと対面。
以来、クジラを飼う夢を見ていたそうです。
そんな中島先生に1956年(昭和31年)、「江ノ島でクジラを飼う」という計画が飛び込んできました。
建設予定地の片瀬西浜には「鯨大放養池建設地」という看板が立てられていたそうです。
この「鯨大放養池」というのが、翌年5月にオープンする予定の「江ノ島マリンランド」でした。
中島先生をクジラの飼育に誘ったのは日本鯨類研究所の西脇昌治先生だったそうです。
中島先生らは、海外でクジラの飼育方法などを学び準備を進めていましたが・・・
肝心のクジラがみつかりません。
藤沢の飛行場から飛行機を飛ばして探したり、漁船に乗り込んで探したりしたそうです。
それでもクジラを準備することが出来ないでいました。
そんな中島先生のもとへ「定置網にカマイルカが三頭かかった」という知らせが入ります。
この三頭のイルカがクジラの代わりに江ノ島マリンランドのプールに放たれたのです。
こうして江ノ島マリンランドは、1957年(昭和37年)5月3日にオープンしたそうです。
(中島將行先生のお話より)
中島將行先生所有のクジラの標本
★クジラ博士:中島將行先生逝く2016/01/27
・・・・・・・・・・・・・・・・・・