別冊『中世歴史めぐりyoritomo-japan』




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2011年6月24日金曜日

有罪か無罪か・・・起請文と起請失

1235年(嘉禎元年)閏6月28日、起請失(きしょうとが)の篇目が定められました。

「起請失」というのは、起請文が真実でなかった場合をいうそうですが・・・

神社などに14日間籠もって、以下の事が起こらなかったら無罪ということなのだそうです。


①鼻血が出る
②病気になる
③鳶烏の糞がかかる
④鼠に衣装を食べられる
⑤体から血を流す
⑥重軽の喪に服す
⑦父子に罪科人がでる
⑧飲食の時にむせる
⑨馬が倒れる


神社等に参籠させられると、神仏などに誓約する「起請文」を書くのですが、上記の事が起こると「起請文」の内容は真実ではないと判断されるということです。

現代では考えられない法令ですが、鎌倉時代、神仏に誓約するということは重大な事だったのです。

「神仏に嘘をつくことはできない」ということなのでしょうね。

神仏に嘘をつけば、鼻血も出るし、トビの糞が落ちてくるのです・・・。




1230年(寛喜2年)5月5日、常御所に盗人が入り、下級武士と美女が捕らえられました。

翌日、2人は鶴岡八幡宮に参籠させられ起請文を書いています。

この2人は起請失があったため有罪となったということです。

法令が施行させる前から行われていた事のようです。



1244(寛元2年)7月20日、落合泰宗と市河氏の女子藤原氏は、密通の罪で荏柄天神社に参籠させられ起請文を書いています。

藤原氏の夫からの訴えであったようですが、2人は無罪となったようです。



鎌倉手帳


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