別冊『中世歴史めぐりyoritomo-japan』




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2021年11月13日土曜日

「函南の仏像」と「かんなみ仏の里美術館」




かつて伊豆国桑原郷(現在の函南町桑原)には、箱根権現(現在の箱根神社)を開いた万巻の弟子たちによって建立された小筥根山新光寺という大寺があったのだといいます。

816年(弘仁7年)、万巻は嵯峨天皇の命により上洛しようとしますが、途中で亡くなってしまいます。

弟子たちは、万巻の骨と京都に持ち込む予定だった仏像などの荷物を持って箱根に引き上げますが、大きな仏像を箱根の山に上げることは困難だったため、桑原郷に一宇を建立したのだといいます。

これが新光寺の起こりで、鎌倉時代には廃れていた寺院を源頼朝が再興したのだと伝えられています。


明治の廃仏毀釈により新光寺や子院の平清寺が廃絶すると、安置されていた二十四体の仏像は住民によって高源寺や長源寺に移されました。

その後、諸仏は長源寺境内に建立された薬師堂に納められていましたが、2008年(平成20年)、函南町に寄付され、現在は2012年(平成24年)に開館した「かんなみ仏の里美術館」に収蔵されています。


かんなみ仏の里美術館


長源寺


桑原薬師堂


仏像の詳細は「かんなみ仏の里美術館のHP」で。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆

「かんなみ仏の里美術館」に収蔵されている「阿弥陀三尊像」(重要文化財)は、鎌倉時代のもので、慶派仏師実慶の作(重要文化財)。

石橋山の戦いで討死した北条宗時の慰霊のために父の北条時政が造立させ、宗時の墳墓堂に安置されたものではないかと伝えられています。

実慶は修禅寺の大日如来像も製作しています。


北条宗時の墓

北条宗時の宝篋印塔

狩野茂光の五輪塔










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