『吾妻鏡』によると・・・
和田義盛は、源実朝に上総国司（上総介）に推薦して欲しいと頼んでいましたが・・・
※実朝は義盛に好意と信頼を寄せていたのだと言われています。
１２０９年（承元３年）５月１２日、実朝が北条政子に相談してみると、
「故源頼朝様の時代から、御家人の国司任官はしないことになっています。
ただ新たな例を作るというのであれば、女の私が口出しすることではありません」
と反対の意を示されてしまいます。
それでも上総介になりたい義盛は・・・
５月２３日、源頼朝が挙兵した治承４年以来の手柄を書き添えた嘆願書を大江広元に提出。
嘆願書には「生涯のうちで心残りなのはこの一つだけ」とも記されていたのだといいます。
しかし、１２１０年（承元４年）６月１７日、上総国司には藤原秀康が任命されてしまいます。
秀康は後鳥羽上皇の北面の武士。
１２１１年（建暦元年）１２月２０日、上総国司の任官を諦めた義盛は、子の義直に嘆願書の取り下げを大江広元に伝えさせています。
実朝は、ずっと朝廷と交渉を続け、義盛には暫く待つようにと伝えていたのだといいます・・・
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和田義盛は、国司任官を希望したのは、源頼朝の死後、有力御家人の梶原景時・比企能員・畠山重忠が滅ぼされ、二代将軍の源頼家が暗殺され、北条氏が三代将軍に源実朝を擁立して幕府の実権を握りつつある時でした。
義盛は北条義時に対抗できる地位を望んでいたのだと考えられています。
のちの和田合戦の間接的な原因となったとも言われます。
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