江の島縁起
(江の島灯籠より)
~天女と五頭龍の伝説~
昔々、鎌倉の深沢の沼に体が一つで頭が五つある恐ろしい龍が棲んでいました
この五頭龍は様々な災いを周辺の村にもたらし長きにわたり人々を苦しめていました
龍の人喰いを恐れた村人たちは毎年泣く泣く幼子を人身御供に差し出すようになったのです
ところが欽明天皇13年天地を轟かす地鳴りが起こり海底から島がわき起こりました
これが江の島でした
天からは美しい天女が現れ江の島へと舞い降りました
五頭龍は美しい天女に結婚を申し込みました
しかしこれまでのの悪行の数々を指摘され断られてしまいます
五頭龍はこれまでの行いを悔い改心を誓います
天女はその言葉を信じ夫婦となったのです
それからというもの五頭龍は日々村人たちに尽くしました
しかしその度に体は衰えていったのでした
「私の命もやがておわるでしょう
これからは山となってこと地をお守りしたい」
これが江の島の対岸にある龍口山です
山の中腹には龍の形をした岩があり天女を慕うようにいつまでも江の島を見守っているのだそうです
☆ ☆ ☆ ☆ ☆