別冊『中世歴史めぐりyoritomo-japan』




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2010年11月11日木曜日

小町大路の散策(大町四ツ角~材木座)

=小町大路の散策(後編)=
~大町四ツ角から材木座~

大町四ツ角付近は商業材の中心地として栄えた所で、魚・米・炭の業者などの多くの商人が集まっていたものと考えられています。

材木座は、築港「和賀江嶋」を中心に栄えた街で、材木を扱う「座」(商工業者の組合)が設けられたことで付けられた地名だといわれています。

源頼朝が鶴岡八幡宮を創建する際に、使用する材木を陸揚げしたのが材木座海岸だといわれ、陸揚げの際に歌われたのが「天王唄」だと伝えられています。



魚町橋
「魚町」は、「いおまち」と読みます。
鎌倉幕府が行った商人政策に「小町屋の指定」があります。
鎌倉の街が発展するに連れて商人も増加し、小町屋が各所に広がってしまいます。
これによって、商業区域を設ける必要が生じてきました。
幕府は商人の数を限定し、商売のできる地域を定めるようになります。
1265年(文永2年)の法令では、
大町・小町・魚町・穀町・武蔵大路下・須地賀江橋・大倉辻が指定されました。
(※小町屋というのは「小さな屋台」(掘立小屋)のようなものだったようです。)


「魚町橋」は江戸時代の絵図にも描かれています。
魚町橋の横には「町屋址」の石碑も建てられています。

町屋址碑

逆川橋
魚町橋からすぐの路地を入ると「逆川橋」。
鎌倉十橋の一つです。
下を流れる川が
「この辺りだけ海岸方面から山の方角に流れている」
ことから名付けられました。
流れている川の名も「逆川」です。

本興寺
「辻の本興寺」とも呼ばれる日蓮宗の寺です。


辻説法跡碑
本興寺の辺りも「日蓮の辻説法」が行われた場所であると伝わっています。
(参  考)

辻の薬師堂
もとは名越にあった長善寺の薬師堂だったといいます。
小さなお堂ですが、歴史的価値の高い仏像が安置されています。
本尊は行基作と伝わる薬師如来像です。
十二神将像は覚園寺の十二神将の原型となったともいわれています。
(十二神将は二体のみを残し、あとは鎌倉国宝館に寄託されています。)

元八幡入口
JR横須賀線の踏切を越えると右側に「元鶴岡八幡」の案内があります。

「石清水の井」
元八幡が石清水八幡宮の祭神を勧請しているからの名称なのでしょうか・・・?

元八幡(由比若宮)
1063年(康平6年)、
源頼義によって京の石清水八幡宮の祭神が勧請され創建されました。
のちに、鎌倉入りした源頼朝が、この元八幡(由比若宮)を小林郷に遷座します。
それが現在の鶴岡八幡宮です。

水道路交差点
左右の道は、横須賀海軍のための水道管を埋設した道です。
左は長勝寺・名越方面です。

清水湯
水道路交差点を右に曲がってすぐ右側の銭湯です。
「黒田清輝邸」があったところなのだそうです。
黒田清輝は洋画家で「鎌倉同人会」の結成に尽力しました。

啓運寺
近代洋画を確立した黒田清輝がアトリエとしたという日蓮宗の寺です。



妙長寺
伊豆法難の際に日蓮を救ったという漁師「舟守弥三郎」の子(日実)が開きました。
明治に入ると作家泉鏡花が仮寓ています。

音松稲荷大明神
妙長寺前の細い路地を入ったところにある稲荷社。
鶴岡八幡宮の神職が出向き「初午祭」が執り行われているそうです。

乱 橋
鎌倉十橋の一つ。
新田義貞の鎌倉攻めで、
「北条軍が乱れ始めたのがこの橋だった」
と伝えられています。

向福寺
一向が開いたと伝わる時宗の寺。
「丹下左膳」を描いた林不忘が新婚生活を送った寺です。

九品寺の交差点
右に行くと新居閻魔堂跡碑(個人邸内)があります。

九品寺
新田義貞が本陣を構えた場所といわれています。
鎌倉では唯一の義貞ゆかりの寺です。

九品寺を過ぎると材木座の商店街。
昔からの商店が並ぶ懐かしい風景の街です。

材木座海岸への道
正面は海
https://www.yoritomo-japan.com/umi-zaimokuza.htm

豆腐川橋
今は暗渠となっている豆腐川を渡ると光明寺です。
写真は国道134号線の豆腐川橋です。
日蓮伊豆法難の折、船出したといわれているのが豆腐川の河口です。
日実は建立した妙長寺は豆腐川付近にあったのでしょう。

光明寺
浄土宗の関東総本山の光明寺です。
鎌倉一の山門(三門)と本堂がある大きなお寺です。
10月には「お十夜法要」が行われ、露店が出て賑わいます。

飯島のバス停付近
左は小坪(逗子)への道です。

和賀江嶋
現存する最古の築港遺跡です。
三代執権北条泰時の時代に築かれました。

小坪海岸トンネル
このトンネルを抜けると逗子マリーナ(小坪)です。
トンネル右方は、六角ノ井正覚寺への道です。






鎌倉手帳



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