日向薬師の大太鼓は、源頼朝が娘大姫の病気治癒祈願のため参詣したときに奉納されたものと伝えられています。
ただ、大太鼓は皮が張られていないもの。
それには次のような伝説が残されています。
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むかーし、せんば峠の麓のせんば村に大きな楠があった。
村人の自慢の楠だったが、あまりに大きいので村中が陰になってしまい農作物が少ししか収穫できなかった。
そこで村人は、楠を伐って太鼓をつくって、残った木で橋をつくることに。
やがて太鼓が完成。
楠の橋を渡って日向薬師に納められた。
時は流れ・・・
源頼朝が日向薬師を参詣したときのこと。
大きな太鼓が頼朝の目にとまり、富士の巻狩りで使用することに。
凄まじい太鼓の響きで獣たちが飛び出し、巻狩りは大成功だったのだとか。
その後、日向薬師に戻った太鼓は、長い間お堂の中に置かれていたが、時を告げるために鳴らすことに。
しかし・・・
その響きは山を越えて海まで轟き、漁師たちが魚が獲れなくなって困ってしまう。
音の原因が太鼓とつきとめた漁師たちは、太鼓の皮を破ってしまったのだという。
以来、日向薬師の大太鼓は、鳴らない破れ太鼓音となってしまったのだとか。
日向薬師は、行基によって開かれた霊山寺の別当坊(宝城坊)。
本尊は、この国に2つとない効験のある薬師如来。
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