走湯山(伊豆山神社)・箱根山(箱根神社)の二所権現と三嶋社(三嶋大社)は、源頼朝が信仰し、特別な保護を与えた神社です。
この三社への参詣は鎌倉幕府の恒例行事で、「二所詣」と呼ばれていました。
始めたのは、もちろん頼朝。
1188年(文治4年)の記録が最初で、1327年(嘉暦2年)まで続けられました。
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(三嶋大社)
三嶋大社は、伊豆に流されていた頼朝が源氏再興を祈願した社。
頼朝が挙兵した1180年(治承4年)8月17日は三嶋大社の祭礼の日でした。
(伊豆山神社)
伊豆山神社は、流人時代の頼朝が頼りとした神社。
頼朝が挙兵した時には北条政子が身を寄せていました。
(箱根神社)
箱根神社は、石橋山の戦いに敗れた頼朝が一時身を寄せていた神社。
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この三社は、三代執権・北条泰時が定めた「御成敗式目」の起請文にも「伊豆箱根両所権現・三島大明神」と記されています。
当初の順番は走湯山→三嶋社→箱根山でしたが、1190年(文治6年)より箱根山→三嶋社→走湯山という順番に変更されたようです。
十国峠は伊豆や熱海と箱根を結ぶ交通の要所。
二所詣のときには、この峠を越えて行きました。
「箱根路をわが越えくれば伊豆の海や沖の小島に波の寄る見ゆ」
三代将軍・源実朝が二所詣の際に詠んだ歌。
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