「お十夜」は、1431年(永享4年)、伊勢貞国が真如堂に籠もったことから始まります。
この世の無常を感じた貞国は、三日三晩、真如堂に参籠して、満願の暁には出家することを考えていました。
すると、貞国の夢に僧が現れ、「阿弥陀を信じるのなら出家するのは三日待て」と告げます。
そして、その三日後、足利義教に仕えていた兄貞経が失脚させられ吉野に謹慎、貞国があとを継ぐことになりました。
夢告がなかったら、自分は出家してしまい、兄の跡を継ぐどころか家が絶えてしまうところでした。
阿弥陀さまに感謝した貞国は、七日七晩重ねて参籠したといいます。
合わせて十日十晩の参籠となります。
これが「お十夜」の始まりだと伝えられています。
※伊勢貞国は室町幕府の政所執事を務めた人物です。戦国大名北条早雲は孫にあたります。
のちの1495年(明応3年)、後土御門天皇の勅命により鎌倉の光明寺で「お十夜」が始められ、浄土宗の寺院に広まっていきました。
光明寺では、10月12日から15日まで、盛大な法要が営まれます。
真如堂のお十夜は、11月5日から15日まで(十日十夜別時念仏会)。
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