ある日、賀茂川で川遊びをしていた玉依媛命(たまよりひめのみこと)。
すると、川上から朱塗りの矢が流れてきました。
その矢を拾い上げて持ち帰ると、神の子を身籠り、やがて男の子が生まれました。
男子が成人すると、玉依比売の父・建角身命(たけつのみのみこと)は、祝宴を開きます。
その席上、建角身命が男子に
「お前の父親にもこの酒を飲ませてあげなさい」
と杯を渡すと
「われは神の御子なり」
と叫んで杯を上に投げ、そのまま天に昇っていきました。
玉依比売は嘆き悲しみましたが・・・
ある夜、夢の中に男子が現れ「葵桂(あおいかつら)を作って飾るように」と告げます。
お告げのとおりに祭事を営むと、神山に賀茂別雷大神(かもわけいかづちのおおかみ)が降臨したのだといいます。
葵桂は、葵の葉と桂の枝葉を絡ませて作られたもの。
賀茂神社の祭礼「葵祭」で、勅使や供奉者の衣冠、牛車などに葵桂が飾られるのは、この伝説に基づくものなのだとか。
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鎌倉との繋がりを求めて。