物部氏は、河内国丹南郡に本拠地をおいた鋳物師集団で、1252年(建長4年)から始まった鎌倉大仏の鋳造のために関東へ招かれたのだと考えられています。
大仏鋳造後、相模国毛利荘(厚木市付近)に定着して、多くの寺院の梵鐘を鋳造しました。
建長寺の国宝梵鐘は、1255年(建長7年)、物部重光によって鋳造されたもの。
重光は鎌倉大仏鋳造に携わったと考えられている人物。
長谷寺の観音ミュージアムに収蔵されている梵鐘は、1264年(文永元年)、物部季重によって鋳造されたもの。
円覚寺の国宝梵鐘は、1301年(正安3年)、物部国光によって鋳造されたもの。
北条貞時が江の島に参籠して鋳造に成功させたという鎌倉最大の梵鐘。
東慶寺の梵鐘は、1350年(観応元年)、物部光連によって鋳造されたもの。
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(海老名市)
相模国分寺の梵鐘は、1292年(正応5年)、 物部国光によって鋳造されたもの。
(横浜市金沢区)
称名寺の梵鐘は、1301年(正安3年)、物部国光と依光の鋳造とされています。
(伊勢原市)
日向薬師の梵鐘は、1340年(暦応3年)、物部光連によって鋳造されたもの。
(藤沢市)
遊行寺の梵鐘は、1356年(延文元年)の鋳造で、鋳物師は物部光連と考えられています。